エッ!そんなにあるの?
日本の唐辛子生産量は約200トン。消費量の2%。
ほとんどが輸入である。
江戸時代の資料によると平賀源内の蕃椒譜には
当時の日本各地の唐辛子が記述され、その数は57種類。
また江戸末期の本草学の伊藤圭介の蕃椒図説には52種類が記されている。
日本に16世紀ポルトガル宣教師が唐辛子の種を持ってきてから日本各地に生息。
唐辛子が持つ交雑性、生息の強さから現地化して色、形、大きさ、上、下の向き
など多様な形状の唐辛子が存在した。
今日、その面影が日本各地に息づき、地域の伝統野菜として生存している。
代表例を紹介する。
<青森>弘前市 清水森ナンバ
約400年前、弘前藩初代藩主が京都から持ち帰った。
糖分が多くビタミンも豊富と言われている。
<栃木>大田原市 栃木三鷹
昭和30年代吉岡氏が開発、色形がよく辛みが強い、収量が多い、保存に強い。
昭和40年代外国に輸出するほどの繁盛。
<栃木>日光市 日光とうがらし
修験者の耐寒食がきっかけ。
有名なとうがらしのしそ巻きは人気商品。
<新潟>長岡市 かぐらなんばん
山古志地区が産地。
肉厚ゴツゴツが神楽獅子に似ているのが由来。
<東京>新宿区 内藤とうがらし
江戸時代内藤新宿界隈で生産されていた。
近年復活、商標に登録、新宿のブランド商品。
<長野>北部地域 ぼたんこしょう
牡丹の様な花の外形。
やたら漬け、胡椒味噌に入っている。
<岐阜>中津川市 あじめこしょう
飛騨美濃伝統野菜。
あじめどじょうに似ている、風味のある唐辛子。
<石川>白山市 剣崎なんば
とにかく辛い、漬物、魚の煮付けが最適。
靴の先に入れ防寒にも使われる。
<京都>京都市 伏見とうがらし
1684年の記録があるほどの伝統もの。
焼き物、煮物、炒め物などに使われる。
<京都>京都市 万願寺とうがらし
大正、明治、舞鶴万願寺で誕生。
大きく肉厚柔らかい、甘味があり食べやすい。
<京都>京都市 田中とうがらし
明治初期に左京区田中地区で作れた。
太く短く辛みが少なく料亭でよく使われる。
<奈良>奈良市 紫とうがらし
100年前に米谷町などで作られていたもの。
鮮やかな紫色、辛みが少なく風味あり佃煮に使われる。
<岡山>鏡野市 姫とうがらし
在来種の泥鱒とうがらしを特産化した物。
唐辛子醤油など加工品あり地域の名産品。
<島根>雲南市 三鷹
全国でも最大規模の生産面積。
辛みの中に風味あり一味、七味柚子胡椒の原料。
<香川>丸亀市 香川本鷹
塩飽水軍が朝鮮出兵の際秀吉から戦利品として拝領された
伝説の唐辛子。辛みの強く香りのたつ。
<徳島>美馬市 美馬とうがらし
肉厚、激辛、旨味あり。
特産品(珍味激辛青唐辛子 みまから)は有名。
<高地>南国市 南国とうがらし
全国でも最大規模の唐辛子生産地。
冬場のハウス栽培はこの時期唯一の特徴。
<熊本>上天草市 朱次郎(あかじろう)
昔から松島地域では鷹の爪を栽培していた。
近年、朱次郎として特産化、刺身にワサビの代わりにつける。
<沖縄県全域> 島トウガラシ
海洋文化、アジア諸国から船について種が渡った説。
泡盛に漬け込みコーレーグースとして調味料。
メルマガ 唐辛子・タネ爺の独り言 引用