2021.04.13
内藤とうがらし
唐辛子の呼称そんなに?
以前食の雑誌を主幹していた時に、日本全国の唐辛子を一覧にして
誌上で紹介しました。その時にわかったことは
なんと北(北海道)から南(沖縄)まで各地に生息、それも色、形、大きさ、
つき方、辛さ、味など様々でした。
そして唐辛子の表現(呼称)も地域で異なり、様々でした。
今回、山本紀夫氏の著書「トウガラシの賛歌(237頁)」に
それを集大成した記事が載っていました。原典は日本植物方言集成、
琉球列島植物方言集、日本の食生活全集。それを山本紀夫氏が作成したものです。
その記述によると日本には、
1)とうがらし系 2)なんばん系 3)こしょう系 4)からし系 に大別されています。
1)とうがらし、とーがらし、とがらし、とんがらしなど。
特に太平洋ベルト地帯だそうです。
2)なんばん、なんば。
特に北海道、東北、上信越、茨城、千葉、神奈川、山梨、長野、愛知、岐阜、滋賀、鳥取、
島根の一部だそうです。
3)こしょう、くしょ、くーすなど。
主に九州、沖縄、新潟、長野、岐阜、京都、兵庫、島根、岡山、山口の一部だそうです。
4)からしなど。
広島、愛媛、高知、長崎、大分の一部、東北、上信越などでも。
ポルトガルの宣教師から種を渡された九州の大友宗麟、日本各地のキリシタン大名は
初め鑑賞用として。やがて日本各地で栽培、もともと交雑性旺盛な植物唐辛子は
各地で多様な姿形になり繁栄した様です。
日本にない植物で、各地で一番馴染みやすい呼称になったのでしょう。
メルマガ 唐辛子・タネ爺の独り言 引用